2001年宇宙の旅:あのモノリスの正体は?−4
時空の彼方へ 2000年4月22日
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ボーマン船長を乗せ
モノリスへ向かうスペース・ポッド
木星の軌道上に悠然と浮遊する一片が2qもある巨大なモノリス。・・
このモノリスはいったい?
木星の軌道上に悠然と浮遊する一片が2qもある巨大なモノリス。ディスカバリーから
スペース・ポッド(写真)
に乗り換えてモノリスの探検にボーマンは出かけていった。その長方形の一片に近づいて行く。接近するにつれ、あまりに巨大であるため次第に 凹凸の感覚が分からなくなり、それまで突出していたと思われるものが実は陥没しているように 感じ、深く長いトンネルのような感覚にとらわれた瞬間その向こうに無数の星が出現し、その中に吸い込まれて行った。
それから後は次元転送管のなかで超空間、超次元をさまようのである。
「繁栄し滅んだ星々、捨て去られた宇宙空港、星の墓場、宇宙の屑鉄置き場、 何万年かの差で、これを建造したものたちとすれ違ってしまったのだ。 そう思い当たった瞬間、ボーマンは急に意気が消沈するのを感じた。 はっきりと予想していたわけではないが、他星の知性体に出会うだろうとは思っていた。 しかし遅すぎた、遙かな昔何らかの目的で制作された装置、その制作者たちが 滅び去った今も、なお働き続けている自動装置にとらえられ引き吊り回されたあげく、 やがて酸素がつき死んでしまうのも知らぬげに、この宇宙のサルガッソ海へと 投げ出されるのだ。いままで同じ運命を辿ったものがどれぐらいいるのだろう。」(2001年宇宙の旅:伊藤典夫訳、早川書房より)
いよいよ最後の瞬間超赤色巨星の炎が間近にせまり目の前で光が荒れ狂った。 そのコロナの中で燃え尽きるかと思われたその一瞬、 ポッドがコトンと何か固いものに触れた感触があり停止した。 着陸?何の上に?光が戻ってきた瞬間ボーマンは気が狂ったと思った。
予想していなかった唯一のもの。それは、あまりにも日常的な風景であった。
( 2001:A SPACE ODYSSEY , To be continued Last Stage)
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