2001年宇宙の旅:あのモノリスの正体は?−2
前哨・人類の曙・月への到達 2000年3月16日



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2001年宇宙の旅:人ザル月を見るものと小説版 2010年宇宙の旅小説版
写真1

月面モノリス発掘現場、
人ザル月を見るもの
2001年宇宙の旅小説版
写真2

2010年宇宙の旅小説版
ちょっと、モノリス風?

 まず、誰もが疑問をもつモノリスの説明であり、これがすべてを物語るのである。そもそもこの映画はクラークの短編小説「前哨」を読んだキューブリックがこれをもとに「後世まで語りぐさになるような作品をつくろう」とクラークに持ちかけたのが きっかけだと言われる(まさに世界中で語りぐさとなる作品となった!!)。

 「前哨」の内容は、月探検中に、遠いむかし地球を訪れた異星人が建設したらしいドームが発見されるというものである。つまり、これがモノリスである。その役目は・・・・それは次第に明らかにされよう。

人類の曙では、類人猿は猛獣の牙の驚異にさらされ戦々恐々としながら他の草食動物とひっそり暮らしていた。肉食動物が残した動物の死骸からタンパク質をとることもあるが、まれであった。また、種族間での水飲み場をかけた争いもあったが、声や動作による威嚇以外は優劣を示すものがなく、通常大型の群に勝利がもたらされた。しかし、ある朝モノリスが出現した。勇敢な個体から興味を示し次第に近づいていった。やがて、飽きられるが常にモノリスは周囲の猿人たちを啓発し続けていたのである。ある時、一匹の猿人が大型動物の骨で遊んでいるうちに、これはすごい破壊力を持ち猛獣の牙にも匹敵するものだと気がつく。その背後にはモノリスが太陽の光を受けながら煌々と輝いている。人類がついに道具、武器を手に入れた瞬間だった!!(写真1:人ザル月を見るもの参照)その後、生活は一変し、小動物は言うに及ばず、大型の動物さえ意図的に倒して食料とすることが出来るようになった。猿人の骨の一振りごとに大型動物が横倒しになるカットや小猿が肉を食べているカットなどに象徴される。そして、ついに宿敵をたおし水飲み場の奪還にも成功した。

 それから、人類の発展はとどまることを知らず、宇宙へと進出した。当然武器も開発され続けついには地球を自らの手で100回以上も破壊できるまでに至った。このあたりの話は小説(写真1参照)や、「2010年宇宙の旅」(写真2参照)で重要である。さて、月でモノリスが発見された(写真1:月面モノリス発掘現場参照)。たぶんこのモノリスは地球上で猿人の前に設置されたとほぼ同時に設置されたと思われる。これが、地球上ではなく、月に埋められていたことが重要である。人が月に到達したら必ず見つけだすことができるように、ものすごい磁性をもたされていた。案の定、人類は掘り返した。掘り起こした後、 最初に太陽が当たった瞬間だけ木星の軌道上の一点を目指してものすごい電波を発し、とにかくその場所へ行くように促すのである。映画では明らかにされないが、その後埋めて再び掘り起こしたり、光を当てたり、様々な方法を試みるが 2度と物言うことはなかった。つまり、かつての猿人がついに月に到達し、モノリスを掘り返すまでに文明が発展したまさにその一瞬を知る物差しとして作用し、「それでは、次のステップへどうぞ」とメッセージを伝えて使命を終えたのであろう。

 月面での作業中の背景として次第に太陽の光が発掘現場に近づいてくるシーンがさりげなく続くが内容を知りながら見ているとぞくぞくするものを感じる。再度映画を見るときには是非ともチェックしていただきたいカットと言える。

( 2001:A SPACE ODYSSEY , To be continued Part 3 )

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